「女性国際戦犯法廷」を取材したNHK教育テレビの番組が放映の直前に大幅に改変されたとして、出演者の米山リサ・ カリフォルニア大準教授が「名誉権が侵害された」などと申し立ていた問題で、「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC)は31日、「名誉棄損は成立し ないが、人格権に対する配慮を欠き、放送倫理に違反した」との見解をまとめた。
問題の番組は、01年1月に放映された特集番組「問われる戦時性暴力」。旧日本軍の慰安婦問題を追及した民間法廷「女性国際戦犯法廷」をとりあげた。米山氏は「スタジオ収録時の発言を何の連絡もなく大幅に改変され、研究者としての立場や思想に著しい誤解を生じさせ、名誉権と著作者人格権が侵害された」などと主張していた。
BRCは「発言は捏造(ねつぞう)されたとは言えず、名誉棄損は成立しない」としながらも、「NHKが申立人への説明や了解を得ないまま編集したため、申立人の人格権に対する配慮を欠き、放送倫理に違反する結果を招いた」と米山氏の主張を実質的にほぼ認めた。NHKは同日午後6時からのニュースでBRCの決定を放送した。
<米山氏の話> BRCが放送倫理違反を認めたことは、番組が何らかの理由で大改変されたことが公に認められたということであり、率直に評価したい。
<NHK広報局の話> 決定が「企画の趣旨・意図が変更されたとまでは言えない」「名誉棄損は成立しない」とした点は当然だと思う。ただ、放送倫理に違反するとした点は、放送番組編集の自由の観点からみて残念な結論だ。(03/31 19:13) http://www.asahi.com/national/update/0331/025.html
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