Wednesday, July 25, 2007

contents

コンテナーからコンテンツを取り戻せ



最近のエントリーでは、日米のメディアの違いについて考えているのだが、たとえば日本のテレビの特徴を「コピーワンス問題からほの見える日米のテレビと映画の立場
に引用した言葉でみると

 これに対して,日本ではいわゆる在京キー局が(別会社に制作を委託するにしても)番組の著作権を保有するケースが多い。米国とは異なり,番組(コンテンツ)と放送ネットワーク(メディア)が分離していないのだ。(IT proのコラム「Joostに見るグローバルTVの可能性と限界(後編):日本のテレビ局はなぜインターネット事業に消極的なのか」より)

 放送局は制作会社(コンテンツ)を囲い込み、自分たちに都合のよい番組を作り出す。たとえば「ネットがテレビを放送する日で紹介した「著作隣接権」などが放送局に都合のよい法律ができている。「著作隣接権」とは

 放送事業者は、コンテンツの制作と流通がドメインであるため、自ら制作した番組の著作者となるほか、番組を放送しただけでも「著作隣接権」が付与される。

(中略)

 しかし同時に、⑤放送のための一時的固定と、⑥商業用レコードは許諾を受けずに利用して後刻2次使用料を払えばよい、といった規定があるため、放送の素材として著作物を利用することが容易となっている。

 テレビ番組には、放送局や脚本家のほかに、出演する俳優、使用する音楽のレコード会社や歌手といった、数多くの権利者が関係している。

 そこで著作権上の「放送」であれば、前述のとおり商用レコードについては事前の許諾なく使用して、事後に使用料を払えばよい。(「ネットがテレビを飲み込む日」)

 制作会社はこの法律のために、テレビ局と関係なく番組を作ることは著しく制限されている。またスポンサーと電波管理は放送局が握っているため、独自に作りたい企画があっても、テレビ局を通さなければ制作すらできないのだ。

 このようなテレビ局と制作会社の関係をどう表現したらいいのだろうと思っていたら、「サイバージャーナリズム論」(歌川令三、湯川鶴章、佐々木俊尚、森健、スポンタ中村著/ソフトバンク新書)でこんなエピソードが紹介されていた。

 米国の新聞業界にもインターネットのポータルサイトがニュース配信するという新たな敵が出現した。

 そこで、米国の新聞経営者は「紙」へのこだわりをかなぐり捨てて、新たな“敵”と対決すべく「電子部門を強化せよ」の戦略に転換したのだ。彼らの合言葉は「コンテナーではなく、コンテンツに注目せよ」だ。このセリフを流行らせたのがAP通信社のトム・カーリー社長で、メディア研究シンポジウムの席上、「問題はコンテナー(container)にあるのでなく、コンテンツ(contents)をいかに活用するかだ」と述べた。

  コンテンツとは情報の中身、コンテナーとは情報の容れ物のことだ。新聞社は長年にわたり、マスコミ界で情報のコンテンツ作りの王者だった。それを新聞とい う紙製のコンテナーに詰め込んで、読者に運んでいた。ところが、電子メディアの出現で、コンテナーの鍵をこじ開けられてしまった。

  カーリー氏は、電子時代の現実を“中身”と“容れ物”という二つの「C」の対比で表現した。「今や紙だけが情報伝達の運搬用具ではなくなった。容れ物の形 態にこだわらずに、新聞社のもつ素晴らしい情報コンテンツをいかに効率よく売りさばくか。それがこれからの課題だ。電子でしっかりと広告を稼げ」というの が、彼の言わんとするところだ。

 新聞協会発行の雑誌『PRESSTIME』は、こんな社説を掲げている。

新 聞社の電子版の広告は爆発的に伸びる。だから電子新聞に掲載する情報は出し惜しみするな。サイトに壁を作るな。そんなことをすると、検索エンジン経由で せっかくアクセスしてきた読者に悪い印象を与え、広告集めにマイナスの材料を自ら作ることになる。タダで閲読しているからといって「電子版」の読者を馬鹿 にしてはいけない。「紙」「電子」にかかわらず読者は本来利口で熱心で協力的なのだ。コミュニティーのニュースや写真を提供してもらい、電子新聞の内容を もっとコミュニティー密着型にして新規の閲読者を獲得せよ。(「サイバージャーナリズム論」第一章 新聞ビジネス崩壊の予兆/歌川令三著)

 しかし、日本の新聞はインターネットにニュースを流すものの、肝心な部分は出し惜しみしたり、数日立つとリンク切れになったりする。古い記事は有料データベースでどうぞというわけだ。僕は「無料の知識と有料の知識でこんなことを書いている。

  たとえば、新聞メディアがそうだ。新聞はインターネットで新しいニュースを流している。しかも無料である。ニュースを報道するには、かなりなコストがかか る。そのコストは、新聞を購読している読者の新聞購読料と広告とで成り立っている。したがって、同じニュースであっても、インターネットでは無料になり、 新聞では有料となる。もし読者が一斉に、インターネットでニュースが見られるから、新聞は要らないと言い出したらどうなるか。新聞はインターネットの ニュースを有料にできるのだろうか。(もちろん、新聞各社は過去の新聞データをデータベース化して有料化している。でも、新鮮なニュースが無料で、古いニュースが有料なんてやっぱり変だ。)

 なぜ、アメリカ並みに広告で儲けようとしないのか。歌川氏は次の4点を挙げている。①購読料金。日本は3925(朝夕刊)、アメリカは954(ニューヨーク・タイムス朝刊配達料1ドル120円換算)②アメリカは、新聞専売店がなく配達はアルバイトの子供③新聞社の収入構造。日本(販売:広告65%:35)アメリカ(販売:広告15%:85)

 高値で売って代理店と山分けする日本、安値で売って広告で儲ける米国、この異なるビジネスモデルが、「電子」時代対応の日米経営戦略の際立った違いとなって表れる。米国は販売収入依存が小さいがゆえに、「紙」新聞をあきらめて「電子」で広告を稼ぐ戦略転換が可能だ。(「サイバージャーナリズム論」第一章 新聞ビジネス崩壊の予兆/歌川令三著)

 ここでも「コピーワンス問題からほの見える日米のテレビと映画の立場のアメリカの映画会社の立場と共通点が見えてくる。

  アメリカではコンテンツとコンテナーが分離されているために、インターネットでも自由に商売ができるが、日本はコンテンツがコンテナーにがんじがらめに掬 い取られているゆえに、インターネット上では商売ができない。新聞などは、コンテンツに金を払っているつもりだったが、実はコンテナーの面倒はもちろん、 インターネットの無料ニュースの資金まで新聞購読料に含まれていたのである。

 CNET Japanのブロガーでも有名な佐々木俊尚氏は第三章でこんなことを書いている。

 メディアを考えるときに、コンテンツとコンテナーという分け方がある。番組や記事がコンテンツであり、それを人々に伝える電波や印刷物、ウェブサイト、メールなどがコンテナーだ。

 本当の通信と放送の融合というのは、メディアを「コンテナー本位制」から「コンテンツ本位制」へと移行させることである

  これまでのテレビ局は電波免許というコンテナーにしがみつき、コンテンツ制作者である番組制作会社を下請けとしていじめ抜いてきた。だが今後、ブロードバ ンドの普及などでテレビが多チャンネル化していけば、秀逸なコンテンツを作るクリエーターこそが重要なのであり、どのチャンネル(コンテナー)で番組を送り出すかは重要でなくなる。(「サイバージャーナリズム論」第三章 テレビ局をめぐる大いなる幻想/佐々木俊尚著)

 思えば、「本当に次世代DVD、華開くのかで取り上げたDVDすら、コンテンツを入れたコンテナーに過ぎないのであり、さらにもっと考えればAV家電そのものがコンテナーに過ぎなかった。インターネットは、このコンテナーとコンテンツを分離する巨大な波となって、メディア世界に襲い掛かっているのかもしれない。

Tuesday, July 17, 2007

ニューズによるダウ・ジョーンズ買収で暫定合意=関係筋

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ニューズ・コーポレーション(NYSE:NWS.A)は16日、米ダウ・ジョーンズ(NYSE: DJ)を、当初からの提示額である50億ドル(1株当たり60ドル)で買収することで暫定合意した。17日夕方、ダウ・ジョーンズ取締役全員が出席する会 議で承認の可否を審議する。関係筋が明らかにした。

両社による話し合いとしては最後になるかもしれない16日の交渉で、ダウ・ジョーンズのリチャード・ザンニーノ最高経営責任者(CEO)、企業アドバイ ザー、独立取締役2人を含む出席者は、ニューズが4月中旬に提案したダウ・ジョーンズ買収で暫定合意に達した。ニューズのルパート・マードック会長は、買 値引き上げを迫るダウ・ジョーンズの圧力に抵抗した。1株当たり60ドルという買値は、ニューズによる買収提案が明らかになる前のダウ・ジョーンズの株価 を67%上回る水準。交渉の出席者によるとマードック氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の編集長だったポール・スタイガー氏をニューズの 取締役に推薦する可能性を示唆したという。

今回の合意には、最大のハードル、つまりダウ・ジョーンズの議決権の64%を握るバンクロフト一族の承認を得るという関門が残っている。ザンニーノ氏と 話した人物によると、同氏はニューズに、一族の中で賛否が拮抗(きっこう)しており予断を許さないことを示唆したという。

バンクロフト一族の財産の管理受託者で、一族を代表して交渉に臨んでいるマイケル・エレファント氏は、一族による最終投票に先駆け、19日にニューズと の暫定合意について一族全員に説明する予定だ。同氏は一族に意思決定のため数日の猶予を与えるとみられ、来週結論が出ることになりそうだ。ただ、一族は依 然としてニューズへの売却について意見が大きく割れている。一部はニューズへの売却を受け入れているが、ほかの選択肢を懸命に探しているメンバーもいる。

ダウ・ジョーンズ株の全議決権の約15%に相当する一族の財産を受託管理しているクリストファー・バンクロフト氏(55)は過去数週間、ヘッジファンド や未公開株投資会社などに接触し、ニューズによる買収を阻止できるだけのダウ・ジョーンズ株を取得するよう持ちかけていた。一族のメンバーでダウ・ジョー ンズ取締役のレスリー・ヒル氏は、スーパーマーケット業界への投資で知られる資産家のロン・バークル氏を含む投資家と会うよう、ダウ・ジョーンズに迫って いた。バークル氏はダウ・ジョーンズへの別の提案を考えていた。ヒル氏の母親は、同社株の全議決権の約15%に相当する一族の財産を受託管理または保有し ている。

ニューズが提示額引き上げを渋ったことは、バンクロフト一族の中でニューズによるダウ・ジョーンズ買収に反対する意見を一層強固にした可能性がある。ダ ウ・ジョーンズに近い筋によると、同社の一部の幹部や独立取締役は、一族の意見が割れていることが、ニューズの提示額を少しでも引き上げることにつながれ ばと期待していたという。ダウ・ジョーンズ株の16日終値は前週末比0.54ドル(0.94%)安の56.95ドル。その後の時間外取引では上げに転じ、57.45ドルで取引された。

16日の交渉は、マードック氏、ザンニーノ氏が出席したランチミーティングから始まった。ダウ・ジョーンズは、ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズに加え、ウォール・ストリート・ジャーナルとその欧州版・アジア版・電子版、バロンズ、 ファー・イースタン・エコノミック・レビュー、マーケットウオッチ、ダウ・ジョーンズ・インデックス、地方紙オッタウェイを発行している。またファクティ バを保有し、ハースト・コーポレーションと共同出資でスマートマネーを運営している。さらに世界のCNBCテレビや米国のラジオ局にニュースを提供してい る。(日本経済新聞2007年7月17日)

Monday, July 16, 2007

BBC

[월드 뉴스] BBC 연례 보고서: 뉴미디어 부문

BBC 온라인은 BBC 의 가장 빠르게 성장하는 서비스로 올해 3월 31일까지 1천 6백만 순 방문자를 기록하고 구글이나 MSN 사이트바 보다 더 많은 영국 웹 유저를 확보하였다. 페이지 임프레션 (광고 노출 횟수) 은 현재 월 평균 30억 회 이상이고, BBC 온라인 서비스에 드는 비용은 시청료 납부자 한사람 당 월 49 펜스에 해당한다.

BBC는 2006년부터 2007년 까지 웹 콘텐츠에 1억 1천 6백만 파운드를 사용하였고, 교육 서비스인 BBC 잼에 3,700 70만 파운드를 추가 사용하였는데 BBC 잼은 올해 3월 폐지되었다.

BBC 잼
쌍방향 교육 서비스인 BBC 잼은 상업적 라이벌들의 항의로 운영이 중단되었다. BBC 잼은 중단될 때까지 5세 부터 16세 까지를 위한 “뛰어나고 쌍방향적인 콘텐츠”를 광범위하게 제작해왔다.

BBC는 그러나 “교육은 여전히 우리 사명의 중요한 부분이고 우리는 이 중요한 분야에서 시청자들에게 봉사할 방법을 계속 연구할 것이다.

아이 플레이어 (iPlayer)
철저하고 아마도 전례 없는 공적 검증의 기간을 거친 끝에 BBC는 자신들의 주문형 서비스인 아이 플레이어 (iPlayer) 가 “주문형 세계에 실질적 진보”를 이룰 수 있기를 희망하고 있다.

BBC 의 아이 플레이어 (iPlayer) 주문형 서비스에 들어간 투자비를 포함하여 개발비용은 인프라 구축에 추가로 들어간 560만 파운드까지 모두 3,200만 파운드였다.

BBC.co.uk
내부 서버 경과 기록에 기반하여 BBC.co.uk 는 올해 3월 31일까지 매주 평균 영국의 순방문자가 1,480만을 기록하여 지난해 1,230만 명보다 증가하였다. 해외 사용자 가운데 순방문자는 매주 추가로 1,350만을 기록하였다.

TNS 미디어 트래커가 만든 연구를 토대로 한 조사를 보면 BBC.co.uk의 트래픽은 매달 1,430만 순방문자로 2005년-2006년 기간의 1,370만보다 증가하였다고 평가되었다. BBC 사이트는 모두 560만 시간 분량의 오디오와 비디오 콘텐츠를 전 세계에 제공하여 지난해의 460만 시간보다 증가하였다.

라디오는 가장 인기 있는 스트리밍 서비스로 290만 시청시간을 기록하였다. 주문형 오디오는 190만 시간을, 그리고 다른 비디오와 오디오 서비스는 120만 시간을 기록하였다. BBC.co.uk 의 매시간당 콘텐츠 비용은 16 펜스로서 지난해 보다 1페니가 감소하였다.

BBC 뉴미디어 콘텐츠의 30 %는 이제 BBC 외부 주문으로 제작되는데 비비시의 자발적인 독립프로덕션 할당 목표 25%를 초과하여 할당량을 지난해 보다 거의 두 배나 늘렸다.

BBCi
디 지털 TV 시청자를 위한 BBCi의 빨간 버튼 서비스는 해마다 30%의 성장을 보이고 베스트 쌍방향 텔레비전 서비스로 국제부문 에미상을 수상하였다. BBCi는 지난해 여름 독일 월드컵 동안 535만 이용자와 인터넷을 통해 생중계와 하이라이트를 시청한 590만 이용자를 기록할 정도로 인기가 있었다.

2007년의 연구 결과 7세에서 15세의 3분의 2가 BBCi 를 이용한 것으로 나타났다. BBCi의 쌍방향 서비스인 필름 네트워크는 300 개의 영국 단편 영화를 상영한다는 자신들의 목표를 25% 초과달성하였다

향후 발전
BBC는 올해 모바일 라디오 TV; 세컨드 라이프, 플리커와 유튜브에 대한 지역사회 지향적 프로젝트; 개인 녹화용 캐치업 서비스; 런던 동물원에서의 바코드 판독 실험과 장애인 이용자를 위한 포드캐스트를 포함한 다양한시도롤 하였다

“모비소드”가 인터넷 상으로는 인기가 있었지만 휴대폰을 통한 닥터후 방영 시도는 실망스러운 것으로 꼽혔다 BBC는 또한 기술의 거인들인 마이크로 소프트 및 IBM과 전략적 제휴를 맺었고 유튜브에 채널 하나를 출범시켰다.

BBC 의 미래상
BBC는 이제 ITV와 조인트 프로젝트로서 위성 TV 이용자를 위해 무료 서비스 제공을 목적으로 하는 프리샛 프로젝트와 휴대폰 서비스 그리고 회사를 “BBC 2.0” 시대로 이끌어 가는 데 우선 순위를 두고 있다.

“BBC 는 웹이 지배적인 정보제공 매체에서 자료가 이용자들에 의해 공유되는 매체로 변화를 계속함에 따라 BBC 2.0 시대를 준비하기 위해 해야 할 일이 어마어마하게 있다. 다시 말해 우리는 BBC 가 단순히 웹상에 존재하는 것이 아니라 웹의 일부가 되기를 바란다”고 BBC 측은 말했다.

BBC는 ‘미래 미디어와 기술부’를 비롯한 몇몇 핵심 부서를 2011년까지 샐포드로 이전할 예정이다 BBC는 BBC센터의 설비를 최신의 기술로 갖추기를 원한다.

* 출처 : 영국 가디언 신문 (The Guardian) 2007년 7월 3일
* 관련링크 : http://media.guardian.co.uk/bbc/story/0,,2117550,00.html
* 나종하 (한국언론재단 영국통신원 njh58wow@hanmail.net)


Thursday, July 12, 2007

BBC

英 BBC 신뢰위기…공개사과에 벌금까지
여왕 다큐 편집 실수로 체면 구겨…..프로그램 거짓연출도
영국의 공영방송 BBC가 다큐멘터리를 조작해 공개사과하는 등 잇단 물의로 신뢰성의 위기를 맞고 있다고 영국언론들이 일제히 보도했다.

BBC 는 여왕의 80주년 생일을 맞아 특별 제작한 '여왕과의 1년' 다큐멘터리 예고편에서 엘리자베스 2세 여왕이 왕관을 벗어달라는 미국의 유명한 사진작가 애니 라이보비츠의 요청을 완고한 태도로 거부하는 내용의 장면을 공개한데 대해 12일 공식 사과했다.

올해 가을 방영 예정인 이 프로그램에 담긴 이런 장면은 실제는 서로 다르게 찍은 것이지만 마치 한 시간대에 이뤄진 것처럼 편집한 것.

앞 장면에서 라이보비츠는 여왕을 향해 의복과 맞지 않으니 왕관을 벗어달라고 요청한다. 그러나 여왕은 그녀를 향해 차가운 시선을 보낼 뿐이다. 이어 여왕은 자신의 옷을 가리키며 "옷이 근사해보이지 않는다"고 말한다.

이어지는 장면에서 여왕은 걸어가면서 시종을 향해 "아무것도 바꾸지 않겠다. 이 같은 의복은 충분히 입었다"라고 말한다.

마치 여왕이 사진촬영을 거부하고 나온 듯한 인상을 주는 편집인 것.

그러나 실제 시종을 향해 말하는 장면은 앞선 장면보다 먼저 촬영한 것으로, 이는 편집실수였다고 BBC측은 해명했다.

앞서 BBC는 어린이 프로그램 진행도 일부 조작한 사실이 드러나 5만 파운드(약 9천300만원)의 벌금을 부과받게 됐다고 현지 언론들이 전했다.

BBC 는 지난해 11월 어린이 프로그램인 '블루 피터'에서 일일 드라마 '이스트 엔더스'의 등장인물에 관한 문제를 내고 유료 전화로 정답을 맞힌 어린이에게 장난감을 주려 했으나 기술적 결함으로 문제가 발생하자 거짓 연출을 감행했다.

실제 전화를 걸어온 어린이가 아니라 그 시간에 스튜디오를 견학 중이던 어린이에게 런던에서 전화를 건 것 처럼 해 정답을 말하도록 했다. 그러나 당시 스튜디오에서 이를 지켜본 사람이 뒤늦게 시청자 제보코너에 공개해 거짓연출의 전말이 드러났다.

영국의 미디어 감시규제기구인 오프콤은 BBC에 5만 파운드의 벌금 처분을 내렸다. (서울=연합뉴스)

NHK

NHKの「戦時性暴力」番組をBRCが「放送倫理違反」(朝日新聞)

「女性国際戦犯法廷」を取材したNHK教育テレビの番組が放映の直前に大幅に改変されたとして、出演者の米山リサ・ カリフォルニア大準教授が「名誉権が侵害された」などと申し立ていた問題で、「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC)は31日、「名誉棄損は成立し ないが、人格権に対する配慮を欠き、放送倫理に違反した」との見解をまとめた。

問題の番組は、01年1月に放映された特集番組「問われる戦時性暴力」。旧日本軍の慰安婦問題を追及した民間法廷「女性国際戦犯法廷」をとりあげた。米山氏は「スタジオ収録時の発言を何の連絡もなく大幅に改変され、研究者としての立場や思想に著しい誤解を生じさせ、名誉権と著作者人格権が侵害された」などと主張していた。

BRCは「発言は捏造(ねつぞう)されたとは言えず、名誉棄損は成立しない」としながらも、「NHKが申立人への説明や了解を得ないまま編集したため、申立人の人格権に対する配慮を欠き、放送倫理に違反する結果を招いた」と米山氏の主張を実質的にほぼ認めた。NHKは同日午後6時からのニュースでBRCの決定を放送した。

<米山氏の話> BRCが放送倫理違反を認めたことは、番組が何らかの理由で大改変されたことが公に認められたということであり、率直に評価したい。

<NHK広報局の話> 決定が「企画の趣旨・意図が変更されたとまでは言えない」「名誉棄損は成立しない」とした点は当然だと思う。ただ、放送倫理に違反するとした点は、放送番組編集の自由の観点からみて残念な結論だ。(03/31 19:13) http://www.asahi.com/national/update/0331/025.html

Tuesday, July 03, 2007

NHK

政治介入は本当になかったのか NHK番組改変事件判決シンポジウムの報告

1月29日午前。東京高裁前では勝訴を喜ぶ喝采の声が上がった。太平洋戦争下での従軍慰安婦問題などをテーマとしたNHK番組改変をめぐり「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(以下バウネット・ジャパン)が原告となり、NHKの番組不当改変の責任を追及した裁判の2審で原告側主張が大幅に認容された。6年間にわたる闘いだった。これを受け、メディアの判決報道のあり方を討議する緊急集会が25日、東京・四ツ谷で開かれた。「政治介入は認定されなかった」との大手メディアの報道は判決内容を忠実に伝えたのであろうか。討議の内容を報告する。(佐藤あゆみ) 

NHKは「戦争をどう裁くか」とのETVシリーズの第2回「問われる戦時性暴力」で女性国際戦犯法廷に関する番組を01年1月30日に放送した。しかし、「戦犯法廷が歪曲されるなど当初の企画内容と番組の内容が異なる」として、法廷開催者のバウネット・ジャパンが、NHK,NHKエンタープライズ21(NEP21)、ドキュメンタリージャパン(DJ)を相手取り損害賠償訴訟を提起した。 
 
05年1月12日、朝日新聞は当時の官房副長官安倍晋三、中川昭一の両議員の番組への政治介入疑惑報道を行った。今回の2審判決は、NHKの番組制作・放送について「編集権限を濫用または逸脱した」「番組編集の自由裁量の範囲内との主張は到底で認容できない」とし、3社にバウネットへの計200万円の賠償支払いを命じた。 
 
シンポジュウム冒頭、原告のバウネット・ジャパンの東海林路得子共同代表は「メディアのあり方、民主度を問う上で重要な裁判となった」と総括。「加害の事実の立証、加害を裁くことで、元慰安婦らの尊厳を取り戻すのがこの訴訟の意義だった。基本的人権に関わる問題の報道放棄は、編集の自由を乱用した国家権力へのすり寄り」と糾弾し、今回の番組改変問題がいかにメディアの危機を招いたかを訴えた。 
 
報道が伝えなかったこと 
メディアの危機を訴える市民ネットワーク・メキキネットの板垣竜太氏は「判決を聞いた時、胸が躍った」と喜びを語った。しかし、判決当日のNHK、テレビ朝日、TBSなどのニュース映像を解析した結果、「胸を躍らせた部分が伝えられていなかった。むしろかなり歪められていた」と批判した。 
 
安倍首相の「政治家の不介入が、判決で明示された」との発言を各社が繰り返し引用したことに対し、同氏は「判決文を読めば、圧力を否定できない事実が認定されている」と指摘。各社が政治介入がなかったかのように報道した根拠として判決文の一部のみを誇張していることを挙げた。 
 
同氏は判決文の「原告らは政治家が本件番組に対して直接指示し介入したと主張するが、取材された際、政治家が…本件番組に関して具体的な示唆をしたとまでは認めるに足りない」との部分が1人歩きしているためとしている。しかし、「安倍氏が慰安婦問題に関する持論を展開、放送前に番組内の発言部分を政治団体が把握していた、NHK国会担当局長が1月29日に番組改変の指示を出している」ことなどを挙げ、政治圧力の存在は否定できないと強調した。また「海外メディアは昭和天皇の戦争責任と番組と結びつけているが、日本のメディアは従軍慰安婦問題とのみしてやんわりと紹介している。女性国際戦犯法廷に関する報道も削られている」と海外報道との落差も指摘した。 
 
原告団代理人の飯田正剛弁護士も「日本語の読解力があれば、政治圧力を否定する読み方はできない」と批判。多くのマスコミの「政治圧力はなかった」との報道を「誤報だ」と断定した。「判決文の一文だけを部分的に読んでマスコミが政治圧力がなかったと報道した。全体を読めば、間接的な圧力はあったと読める点をマスコミがこぞって無視していることは、判決全文を読めばわかる」と強調した。 
 
何がNHKを萎縮させたのか 
バウネット・ジャパンの西野共同代表は、NHKでの番組改変は過去にも同様の例が145件はあったと指摘。その例として、毎日新聞の西山太吉元記者の沖縄密約をめぐるスクープが最終的に女性書記官とのスキャンダル問題とされてしまったこと、03年の5月11日に放送予定だったイラク戦争をイラク側の視点から取り上げようとしたクローズアップ現代が、放送5日前に諸星理事により放映停止命令を受けたこと━などを挙げた。 
 
「なぜこのようなことが起きたかという原因と背景を見なければならない。安倍氏が視聴率の高くないこの番組に、そして慰安婦問題になぜ注目したのかを考えなければならない」と述べた。そして「国際法廷を肯定する表現、慰安婦に対する日本政府と日本軍の組織的な関与とその後の政府の対応や責任、慰安婦の存在をできるだけ消した」と糾弾。 
 
また、番組の内容改変は「慰安婦問題に否定的な政治家の、歴史事実を封殺しようとする政治圧力だ」と批判した。「今のテレビは慰安婦、戦争責任、フェミニズムをタブー扱いしている。戦争、加害の記録をめぐり報道現場に自粛がはびこっている。NHK番組改変の背後にあるメディアに萎縮効果を与えているものに注目すべきだ」と警鐘を鳴らした。 
 
現代の「白虹事件」 
ジャーナリストの斎藤貴男氏は、今回の番組改変問題を1918年の寺内内閣を批判した朝日新聞が、権力に潰された白虹事件になぞらえ、このままだと歴史の繰り返しになりかけないと懸念した。「広島・長崎といった被害の歴史だけでなく、バブルの後半から90年代にかけて加害責任が一般的に広まり、それが河野談話、村山談話につながっていった」とする一方、同時に不況、リストラの状況下で、加害責任なんて言っている場合じゃないという流れが広がった。米国と同盟して戦争加担していこうとする時に、加害責任で目覚められてもらっては困る」との政府の思惑の延長線上に番組改変問題が起きたと指摘した。 
 
さらに、「戦後、日本の対米追随の見返りとして米国市場が開放された。自衛隊は直接戦闘はしなかったが、日本企業が戦争でもうけていたことには変わりはなかった。このため政府は、目に見える形で加害責任を訴える力が国民に浸透していくのをおそれている」と語った。 
 
「期待権」と「編集の自由」 
一審判決では、NHKの番組改変が「編集の自由の範囲内」と認定された。今回の判決では、NHKに対し「編集権限を逸脱」したとし、「NHKの経営者だけでなく、デスク、部長、直接取材した記者、それぞれに編集権があるとされた」と小玉美意子武蔵大学社会学部教授は評価。さらに、「NHKは政治介入があったことをいさぎよく認めるべきだった」と求め、NHKの政治介入の否定が、政治家らに「自分たちは干渉していない」と言わせる要因になり、それがさらに視聴者を裏切る結果となっているとした。 
 
立正大学文学部講師の桂敬一氏は「完全な編集権の行使というのは、真実を伝える時にさまざまな協力者があってこそ成り立つものだ。協力者の位置付けを明確にしたことに今回の判決の意義がある。編集権は本来、国民の知る権利への奉仕に由来するもので、企業幹部の恣意に委ねられるものではないことが示された」と述べた。さらに、本田雅和、高田誠両記者による番組改変報道、長井睦プロデューサーの内部告発、その後の魚住昭氏の報道、永田浩三チーフ・プロデューサーの内部告発らによって、今回の判決がもたらされたとしている。 
 
大沼和子弁護士は、NHKが「編集のやり直しを繰り返したことを隠すために編集の自由を使った」と批判。本来の「編集の自由」とは、知る権利と報道の自由の根幹に関わる一番尊重されるべきものだとしている。今回の判決では「取材の対象者がそのような期待を抱くのもやむを得ない特段の事情が認められるときは、番組制作者の編集の自由もそれに応じて一定の制約を受け、取材対象者の番組内容に対する期待と信頼が保護される」とした。 
 
そして、このケースでは「特段の事情あり」とされ、「期待権」が侵害されたことが認められた。また、「特段の事情があるときに限り、これを説明する法的な義務を負うと解するのが相当である」と「特段の事情」を認めた上で、NHKが説明義務を怠ったことについて不作為行為を認めた。 
 
判決で「期待権が侵害」されたことが、報道を萎縮させるのではないかという各メディアの論調について、板垣氏は「どのメディアも、不思議なほど『萎縮』という言葉を使っている」としながら、次のように指摘した。すなわち、「取材対象者と実際に番組を作ってきた制作現場、そして政治家と幹部、この2つに分けて考える必要がある」「松尾総局長ら実際に制作現場には関与しない人間が、政治家の意図を忖度し現場に関わり、その結果、制作現場の方針を離れた形で編集されたために、『編集権の濫用、又は逸脱』という判決に至った」「期待権と編集の自由を単純に天秤にかけているわけではない」。桂氏はこうした「期待権」「特段の事情」というのは曖昧だと指摘し、「期待権に対して行使するよりも、実質的な損害を与えたことにたいして補償すべきであった」としている。 
 
メディアの責任 
今回のシンポジウムには、当事者である元DJディレクターの坂上香氏も参加。DJは編集の途中で、番組を降りる希望を述べたものの、その権利は全く認められなかった。坂上さんは、「DJも被害者」としつつ、逸脱した制作過程を見過ごせず、「被告側でありながら原告側に立つことは当然の決断だった」と胸のうちを明かした。さらに、「ヒエラルキーの最低辺にいて、番組を降りる権利がないにしても、自分たちが作った番組が非常に影響力があるということを感じた」と語った。 
 
そしてマスメディア関係者に向け、「メディア関係者には、トップであれ末端であれ、どんな立場の人も、放送が多くの人の思いを砕き、傷つけ、存在を『消す』ことさえできるということを念頭に置き、重大な責任を負っていることを認識してほしい」と訴えた。